ピアノ講師のyukaです。
私がピアノ講師として初めて指導の現場に立ったときに実感したのは
多くの生徒が電子ピアノを所有している、ということでした。
わたしは現在30代前半ですが、ピアノを習っていた友人の中で電子ピアノを持っている人のほうが少なかったです。
さすがにグランドピアノを持っている子は滅多にいなかったですが、例え趣味で習っていたとしてもアップライトピアノを持っているのが基本でした。
やはり生のピアノで育った先生方からしたら、電子ピアノに少し抵抗を持っておられる方も多く見受けます。
私も本当のところはアコースティックピアノを検討して欲しいなと思ってます。やはりタッチや音が違いますから。
でもこれは指導者側の意見に過ぎません。
保護者の方々が電子ピアノを選択されるのはなぜなのか?
理由をご存知ですか?
相手側の立場に立って理解を深めていきましょう。とても大切なことです。
目次を見る
なぜこれほどまでに電子ピアノが普及しているのか?
まず、なぜこれほどまでに電子ピアノが普及しているのか、についてです。
趣味で習うレッスンを展開しているお教室なら、生徒の半数は電子ピアノを所有、
もしくはそれ以上の割合が多いでしょう。
①自宅にピアノが置けなくて、電子ピアノを選択するしかない
本当はピアノを置きたいけど、マンションの規約上禁止されていたり、近隣の騒音などを気にして家にピアノが置けないという理由。
これはもう引っ越すくらいしか解決の余地がありません。
むしろ電子ピアノだとしてもピアノを習わせたい!と思っている方々です。
②子どもがいつまで続くか分からないので、ピアノ購入に踏み切れない
ピアノって世間では普通に高いのです。中古ピアノでも数十万。高い買い物です。
何千万もするピアノを弾いたことがある私たちは、数十万で買えるんだから安いじゃん?って思ってしまうかも。
でもそれもあくまでこちらの意見に過ぎません。
私は自分で教室のピアノを購入しましたが、ピアノ本体だけでなく運送料もプラスされて結構なお値段でした。
自分のお金で買ってみると気持ちが分かりますよ。結構覚悟がいるものです。
それでもお金が出せるのは、
ピアノの本当の価値とは何か、を知っているからなんです。
ところで美容師さんのハサミっていくらぐらいかご存知ですか?
・・・・・・
なんと、、、、
30万とからしいですよ。
自分でちょっと前髪切るのに、30万出せますか?
かなり無理ゲーですよね。
要は私たちは、プロだから仕事道具にとことんお金をかけられるんです。
でも、初めてピアノを習う大半は、小さいお子さんなのです。
ピアノを始めて少したってから、
ピアノつまんないからやめる~~
とかで1~2年で辞めることになったら!?
すると途端にそのピアノは家の中で存在感抜群の大きな家具になってしまうのです。
子どもって正直だし、いろんなことに興味が湧くものです。
親御さんはそういった事態にならないか!?と戦々恐々されているんです。
③生のピアノと電子ピアノの違いがよくわからない
これは意外なことかもしれませんが、ピアノの経験がない方からしたら十分ありえる話です。
だって聴いているほうからしたら、
生のピアノの音も、電子ピアノの音もどちらも、ピアノの音なのですから。
④家の中にピアノを置けるスペースを確保できない
これは、1の理由とは違い、楽器OKの家のケース。でも置く場所を確保できない。スペースの問題ですね。
ピアノってアップライトだとしても結構なスペースを必要とするものです。
すると、奥行きがコンパクトな電子ピアノは理にかなっているといえます。
⑤現代の電子ピアノクオリティが半端い
あんまり記憶にないですけど、子どもの頃に触れた電子ピアノってポンコツなイメージでした(笑)
なんだこれ?みたいな。おもちゃっぽいというか。。。
でも、時はたってピアノ講師になっていざ店頭に並ぶ電子ピアノを弾いてみたとき、、、
なんだこのハイクオリティは!!!??
と、大変驚いたものです。
指の力で細かい強弱も表現できますし、内臓のスピーカーの性能がよいので、聞えてくる音色もすばらしいです。
昔の電子ピアノって、キーボードとどんな差があるか?をあまり感じないでいたのですが、今は電子ピアノも確固たる地位を築いてます。
改良に改良を重ね、
ピアノにはなれないけど、ピアノにできるだけ近づけようとする開発者の努力の結晶だと、私は思います。
先生が自信を持ってピアノの魅力を伝えるよう
このように、電子ピアノを選ぶ理由は、値段だけではないのが分かりますか?
安いから買うのではないのです。電子ピアノだって高いです。ピアノに匹敵する値段のものもあります。
電子ピアノ自体が、今の時代、価値のある素晴らしいものでもあるのです。
確かに、本物のピアノの音色には勝てません。
でも、大きさや、カラーを選べるなど、ピアノにはないものを兼ね備えているのが電子ピアノなのです。
高い、でかい、重い。
それでも私たちが生ピアノをおすすめしたい理由は?
それは入会前や、それこそブログやホームページで前もって伝えておく必要があるのです。
生ピアノがなぜ価値があるのか?あなたは考えたことありますか?
当たり前すぎて考えもしなかったことですが、お客様にはちゃんと理由を説明する必要があります。
ピアノを買うのは紛れもなく保護者の方なのですから。
相手の立場にたって考える視点を持とう
この記事で伝えたいのは、電子ピアノがすごい!ってことではなくて、
相手側の事情を踏まえて物事を判断する視点を持つ、ということです。
自分の常識は、相手の常識とは限りません。
だからこそ、相手に分かりやすく説明できるだけの理由を持ち合わせていないといけません。
そして、電子ピアノを持つ生徒を受け入れるのなら、
電子ピアノでも上達を目指せる指導ができることも、ピアノの先生には必要不可欠です。
まず、ピアノ展示場に自分も足を運んで、今の電子ピアノに触れてみましょう。まずはそれが何よりも先です。
電子ピアノの良さや凄さは、触れてみて初めて分かります。
そして
生徒の可能性をどこまで広げられるか。
私たち指導者は、どんなときもそうでありたい。
生徒に寄り添う。まずこの心を持って、日々レッスンに向かいたいです。
コメント