私は不動産投資の最大のリスクは空室であり、如何に空室リスクを減らすかが重要と考えています。空室リスクを減らすには人口増加地域である東京23区一択と考えますが、東京23区内であればどこでもよいわけではありません。
苦いサブリースの経験
2013年に購入した沼袋駅徒歩13分の物件(加えて半地下物件)は、空室期間が長く続いたことから已む無くサブリースに切り替えました。サブリース契約とは別名家賃保証契約とも呼ばれます。業者にサブリース手数料を支払うことで毎月確実に家賃が入ってくる契約スキームのことです。
契約当時は空室リスクを考える必要がなくなったことで心理的な安定を得られましたが、その後サブリースには様々な問題があることを知りました。
割高な手数料
サブリース手数料は一般に10~20%と言われています(物件の立地・築年数・入居率の見込みなどから決定)。私の場合は15%でした。
先ず、サブリース手数料と空室により失われる家賃収入を比べると、サブリース手数料の方が割高です。これは空室率の高い物件であってもサブリース業者が収益を得られる水準で保証家賃が設定されるためです。空室期間の手出しは心理的に辛いですが、サブリースとすることで更に家賃収入が削られてしまうのです。つまり、サブリース契約は空室リスクへの対策にはならないのです。
本当の収支がわからない
投資家とサブリース業者との保証家賃はわかっても、サブリース業者と入居者の間で幾らの賃料で契約されたか、また実際の空室率についてはわかりません。現在のように家賃相場の上昇局面であっても保証家賃が適切かどうかの検証ができず、情報を持たないことでサブリース業者との交渉は不利になります。
サブリースの解約は難しい
サブリース業者は賃借人の立場となるため、本来弱い立場の賃借人の権利を守るという借地借家法によって(決して弱い立場ではない)サブリース業者の権利が強く保護されているのが現状です。これは明らかに法律の趣旨に反していますが、現状では正当な理由がなければ契約解除を求めることができません。私と業者間のサブリース契約では、契約解除には半年分の保証家賃の支払いが必要とありますが、その金額を支払えば契約を解除できるわけではなく、サブリース業者の同意がないと解除できません。
このような物件を売却したいとなっても、物件価格が収益還元法で算出されることから家賃が安いとそれに応じて物件価格も低くなってしまいます(目安として家賃1,000円の違いで物件価格は30万円異なる)。また、上記の事情からサブリース契約の物件は敬遠されやすく、更に売却金額が安くなります。
私は保有しているサブリース物件は、毎月赤字の問題物件ですが、今売却しても売却損が出るため、サブリース業者と交渉を続けながら売却価格>ローン残債となるまでは保有する予定です。
※サブリース業者とは①サブリース契約の解約、できなければ②保証家賃の改定について交渉中ですが、なかなかうまく進んでいません。
まとめ
振り返ると、サブリース契約に頼らざるを得なくなった原因、すなわち物件の競争力を購入時に見極められなかったことが反省点です。私が考える物件選定のポイントについて以下のページで纏めていますので、是非ご一読ください。
- 参考

