入居者が家賃上昇を受け入れる時代へ。10件のデータが示すセンチメントの変化

家賃上昇が定着|10件のデータで読む都市部賃貸市場 コラム
家賃上昇が定着|10件のデータで読む都市部賃貸市場
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インフレ基調が続くなか、賃貸市場でも家賃水準の上昇の流れが起きています。

参考記事:マンション家賃、単身者向け最高(2025年12月)

私が保有する東京23区と武蔵野市の物件においても、2024年4月~2026年3月の2年間で、家賃が上昇しました。平均上昇率は +3.6%。日経新聞の記事の通り、入居者側が家賃上昇を受け入れるセンチメントへと変化していることを示しています。

今回の家賃改善では、地域差や駅距離による明確な差がほとんど見られず一律に一定程度の家賃を上げることができた点も特徴と言えます。

この記事では、この10件の実績をもとに、「なぜ家賃が自然に上がったのか」・「なぜ立地差が小さかったのか」「次回以降、どのように家賃交渉すべきか」を整理していきます。

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家賃改善実績

地域駅距離築年数BeforeAfter変動率種別
1板橋区
常盤台
2分17年74,00077,000+4.1%更新
2大田区
大森
17分20年74,00075,000+1.3%更新
3大田区
大森
17分20年75,00077,000+2.7%新規
4目黒区
学芸大学
8分14年110,000115,000+4.5%新規
5練馬区
上石神井
9分14年74,00077,000+4.1%更新
6武蔵野市10分10年77,50080,500+3.9%更新
7目黒区
大岡山
8分25年90,00095,000+5.6%更新
8板橋区
成増
9分1年95,00099,000+4.2%更新
9練馬区
石神井公園
13分19年74,00077,000+4.1%更新
10豊島区1分36年55,00056,000+1.8%更新

平均変動率:+3.6%

今回のデータからわかったこと

インフレに呼応して家賃が自然に上昇

10回すべてで家賃が上昇し、更新でも新規でも値上げが通りました。これは、「家賃は上がるもの」という入居者側のセンチメントが形成されていることの表れです。

背景には、

  • 新築価格・新築家賃の上昇
  • 中古需要の増加
  • 都市部の人口増
  • 単身者市場の構造的な強さ

があり、家賃が自然に押し上げられる環境が続いています。

立地(地域・駅距離)による差異はほとんど無し

10回の家賃更新では、駅徒歩(1分~17分)に関わらずすべての家賃が上昇。地域差もほぼなく、
市場全体の家賃上昇圧力が浸透した結果と言えます。そのため、目黒区(東横線)などの人気エリアは、より強気設定が可能だった可能性が高いと考えています。

例外:サブリースは家賃改善ができなかった

サブリース契約を行っている物件は、交渉したものの管理会社が応じず保証家賃は据え置きとなっています。インフレ下であっても家賃が上がらないというデメリットが明確に表れました。

家賃は上がったが、コストも上昇している

家賃は上がったものの、金利・管理費・修繕費も上昇しており、収支を維持するためにも家賃改善に積極的に取り組む必要があります。

まとめ

今回の10回の家賃改善データから得られた結論は次の2点です。

① 平均 +3.6% の家賃上昇は、バリューアップ無しでも自然に実現できた。
→ インフレ基調の中で、入居者側にも家賃上昇を受け入れるセンチメントが形成されている。

② 今回は立地(地域)・駅距離による変動が小さかった。
→ 市場全体の上昇圧力が立地差を上書きした。
→ ただし、人気エリアはより強気設定が可能だった可能性がある。

そのため、次回以降の家賃交渉では、「地域の強さ」や「駅距離」といった立地要素を加味し、物件ごとに濃淡をつけた家賃設定を行い交渉したいと考えております。

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