物件選定はワンルーム投資の成否を決めるといっても過言ではありません。私は7戸の新築ワンルームを購入しましたが、いずれも物件価格が割高であったこと、立地が悪かったことなどからその後のリカバリーに苦労しました。今回は、私が重要と考える物件選定の考え方を紹介します。
中古区分を選ぶ
「物件購入~業者はゴール、個人投資家はスタート 」でも紹介した通り、新築は割高であること、近隣の物件との競争を経ておらず家賃相場が適切かどうか・退去後の空室期間がどの程度かといった対象物件の競争力がわからないこと、管理費・修繕積立金は初期安価に設定されるため将来費用増となることは避けられないもののどの程度増加するかは事前にわからないこと、などの不確定要素があります。
一方で中古区分の価格は新築と比べて安価であることに加え、物件価格は収益還元法(物件価格=年間家賃収入/利回り)で算出されるため近隣物件との比較から価格の妥当性を評価できること、家賃相場や入居付けが強い地域かどうかを実績から確認できること、対象物件の重要事項調査報告書から管理費・修繕積立金の残高・収支を確認することで管理組合の運営が健全であるかどうかがわかることに加えて大規模修繕工事予定(直近大きな支出があるかどうか)などから将来の管理費・修繕積立金の増額可能性が予測できることなど、想定ではなくデータに基づき判断できることから中古区分の方が圧倒的に有利だと考えています。
物件選定のチェックポイント
| 項目 | 条件 | 理由 |
| 新築 or 中古 | 中古(20年以上経過) | 最初の20年で3割程度下落 |
| 立地条件 | 駅徒歩10分以内、複数路線近接地域は◎、最寄駅の乗降者数が10万人/日以上&増加傾向 | 空室リスク減、資産価値◎、家賃上昇◎、有利条件の借換 |
| 戸数 | 20戸以上、多い程◎ | 戸数が多い程、管理費・修繕積立金が割安 |
| 階数 | 1Fを除外(特に半地下物件は×) | 空室リスク減、退去時の原状回復費減 |
| 平米数 | 20㎡以上 | 空室リスク減 |
最後に、ワンルーム投資におけるパートナー選びについて。「物件購入~業者はゴール、個人投資家はスタート 」で述べた通り、業者と個人投資家の立ち位置が違う場合、業者は販売により自社の利益を上げることが目的となり、購入した投資家の成功には無関心というケースが多々あります。一方で、マンション管理を主として運営している会社は空室になると管理代行手数料が入らなくなるため、自社の収益のため空室時にすぐに次の入居者を探す必要があるため投資家と利害が一致します。このような管理に重点を置いている業者選定も重要です。

