ワンルームマンション投資の営業トークでは、次のような”魅力的に聞こえる”営業トークがよく使われます。
- 初期費用はほぼ不要
- 月々の持ち出しは生命保険と同じくらい
- 35年後にはローン完済、家賃収入がそのまま手元に残る
- ローンには団体信用生命保険が付いているので万一の時は家族に借金のない資産が残せる
- 空室リスクは家賃保証があるから安心
一見すると「ほぼノーリスクで将来の年金対策になる投資」のように聞こえます。しかし、この投資の本質は、購入した瞬間から35年間続く収支構造を理解できるかどうかにあります。
参考記事:【警告】初めての不動産投資で無知が招く本当のリスクを実体験から解説
ワンルーム投資の35年の収支を理解する
私自身、最初に物件を購入したときは、営業マンの説明をそのまま受け入れていました。「家賃が毎月入ってくるなら安心だろう」と思い、ローン残高が減っていくのを見て安心していたのです。
しかし、後になって気づいたのは、 “35年後に家賃が丸々残る”という説明は、投資の全体像のごく一部にすぎないということでした。
シミュレーション条件と月々の収支
| 物件価格 | 2,000万円 |
| 家賃収入 | 75,000円(表面利回り4.5%) |
| 管理代行手数料 | ▲3,000円 |
| 管理費・修繕積立金 | ▲10,000円 |
| ローン支払(35年、金利2%) | ▲66,253円(元金32,920/利息33,333) |
| 月々収支 | ▲4,253円 |
| 購入直後の売却価格 | 1,800万円(新築プレミアム▲10%) |

赤字でも資産は増える──これは事実
月々のキャッシュフローは赤字ですが、元金返済の方が大きいため、純資産は毎月増えていきます。
- 元金返済:32,920円
- 月々の赤字:▲4,253円
- 純資産増加:+28,667円/月
つまり、キャッシュフローは赤字でも、バランスシートは改善していくという構造です月々収支
年金対策としてのワンルーム投資は合理的
目的が「将来の年金対策」であれば、若いうちに1,2室を購入し完済を待つという戦略は理にかなっています。しかし、月々の赤字運用に耐えられずに短期で売却すると
- 累積のマイナスキャッシュフロー
- 売却損
が重なり、投資としては大失敗になります。
現実の収支は35年間ずっと同じではない
- 収支を悪化させる要因:
- 空室
- 管理費・修繕積立金の上昇
- 金利変動
- 家賃変動
だからこそ、不動産投資のリスクと対処方法を理解しておくことが不可欠です。
本当の問題は「35年」という時間の長さ
ここまでの話はすべて正しいのですが、 最大の落とし穴は “35年後をゴールだと思い込むこと” です。
世の中には、
- ワンルーム投資で大失敗した人
- 「ワンルーム投資は儲からない」と断言する記事
がある一方で、
- ワンルーム投資で成功し、複数物件でFIREした人
も存在します。
この差を生む最大の要因が、「35年完済=ゴール」という思い込みを持っているかどうか」です。
成功する人は“35年完済をゴールにしていない”
ワンルーム投資で成功している人は、完済を待つ以外の戦略を持っています。
- 5〜7年で売却して資金を回転させる
- 借換で返済比率を改善する
- 家賃改善でキャッシュフローを黒字化する
- 複数物件のポートフォリオを組む
ワンルーム投資は「35年後に家賃が残るかどうか」ではなく、 “いつでも売れる状態を維持しながら、資産を積み上げていく投資” です。そのために最も重要なのが、 ローン残高と売却価格の関係を常にコントロールすること。
参考記事:ワンルーム投資の本当のゴールは「返済比率60%以下」|完済はゴールではない理由
この記事は「不動産投資の基礎」シリーズの 第2回 です。
次の記事では、表面利回りと実質利回りの違いをわかりやすく解説します。
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