繰上返済の”投資効率”を考える

繰上返済の投資効率(K%) 繰上返済

手元に100万円ある場合、あなたは①NISAに投資する、②繰上返済をする、どちらを選びますか。今回は繰上返済の投資効率についてお話しします。

期間短縮型ではなく返済額軽減型を選ぶ

繰上返済には、”期間短縮型”と”返済額軽減型”の2種類があります。

期間短縮型

期間短縮型は、毎月の返済額は変えずに返済期間を短縮するパターンです。

返済額軽減型

返済額軽減型は、返済期間は変えずに月々の返済額を減額するパターンです。

不動産投資においては、月々のCF改善効果がある返済額軽減型がお勧めです。返済額軽減型で減額された返済額を再投資した方が投資効果が高くなるためです。以下は返済額軽減型を前提にお話しします。

繰上返済の投資効率

冒頭で、もし今手元に100万円を持っていたらNISAへの投資と繰上返済(返済額軽減型を前提)のどちらを選ぶかという質問をしましたが、例えば年間支払額/残債(=返済利回り)が5%であれば繰上返済の投資利回りは5%となります。

100万円の運用先として、NISAへの投資と繰上返済のどちらがよいかですが、NISAの利回りは”想定値”であるのに対し、繰上返済の利回りは”確定値”(=リスクゼロ)となるため、繰上返済は高利回りの債券投資と捉えることができます。また、繰上返済により改善したCFに対して税金はかからない点も見逃せません。

期待利回りの差異が小さい場合は確実に繰上返済するのが良いと思います。

返済利回りは年々増加

繰上返済の投資効率を示す返済利回り(=年間支払額/残債)は、残債の減少と共に高くなります。上記の例では、投資直後の返済利回りは3.98%でしたが10年後は5.09%、20年後は7.72%となります。

複数の物件を所有している方でCF改善のために繰上返済を検討している場合、返済利回りが高いローンに対し優先的に繰上返済していくのが効率的です。

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